開業にあたって必須の、歯科医療業界の市場動向分析【I:歯科時流と開業立地選定(1/5) 】

経営戦略を立てる上で、もっとも基本となるのは、その産業がおかれている現状の分析です。

歯科医院の現状、開業医の現状を把握することから、新規開業について考えていきたいと思います。

さっそくですが、いま、日本の歯医者さんをイメージするうえで、人口10000人の町があるとして、仮にこの町をA町としますが、このA町は日本のどこにでもあるようなありふれた町です。とくに特徴もない、普通の町をイメージしてください。

では、だいたいこの町に何件くらいの歯科医院があると思われますか?少し考えてみてください。

まず、日本の人口は現在1億2千8百万人弱。歯科医院の数は7万件あるといわれていますから、単純に人口を歯科医院の数で割ると、1800人に1件の割合で歯科医院が存在することになります。

もちろん、地域によってこの数字はかなり違ってきます。例えば、東京や福岡では歯科の競争がかなり激しく、1200人から1400人に1件くらい。逆に福井県、島根県では2000人から2300人に1件くらいとかなりのばらつきがあります。

ですから、人口10000人の町ですと、全国平均では約5件から6件、都市部や激戦区では7件くらいの歯科医院がしのぎを削っている計算になります。

この数字、多いと思われますか?それとも思ったより少ない感じでしょうか?

ちなみに、歯科の受療率というものをご存じですか?

この受療率という言葉は今回のキーワードの一つです。受療率とは、調査日に人口の何パーセントが受診したかを示す数字です。これは大体0.9から1.0パーセントといわれています。

もちろん、地域差はありますが、おおむねこの範囲の数字になりますので、今回は単純にわかりやすいように1パーセントとしておきましょう。つまり、一万人の小さな町で、100人の人が歯科をある一日に受診しているということになります。

つまり、この受療率で計算すると、A町の歯科医院1件あたりの平均的な患者さんの数は15人から17人くらいになると思われます。

この数字について見るといかがでしょうか?

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