楽しい開業医生活を送るための最大の秘訣とは【I:歯科時流と開業立地選定3/5】

たしかに、最近の風潮として、開業するというと、何かと大変なイメージがあるのはまちがいありませんが、前置きが長くなりましたが、ここまで数字を追ってくる中で、現在の開業歯科医の現状を具体的にイメージしてもらえたとおもいます。

さて、イメージができてきたところで、今度は私の診療所、ひかり歯科クリニックの数字を見ていただきたいと思います。添付しております、資料をご覧ください。

医院の今の現状なのですが、私の医院は今月でちょうど開業1年半が経過しましたが、開業1年で月のレセプト枚数が200枚を切ったことはありません。また、開業1年後の月々の医業収入もおおむね500万円以上、自費率はおおよそ20パーセント以上です。現在勤務していただいている歯科医師の先生方の数ですが、常勤非常勤を合わせますと4人、衛生士も常勤非常勤を合わせると4人、チェアーは4台、付属の技工所まで営業しております。

最初から見ていきますと、開業後の2月から7月までは順調に点数、レセ枚数が伸びています。8月はお盆休みがありましたので、ちょっと前の月を業績が下回っています。9月は大幅に診療点数がガクッと落ち込んでおりますが、これは私が3週間程海外に風浪の旅にでかけていたからだと言い訳をさせてください。もともと、旅行好きだったので、開業したら2~3週間はバカンスを取って、海外を自由気ままに旅して回りたいと開業前から思っていました。私の開業前の常識では、開業医たるもの自分の時間は自分でコントロールできるはずなのだから、2~3週間程度のバカンスを取ることは、常識だと思っていたのです。おそらく、この考えを言うと、先生方はなんと非常識なことだろうと思われそうですが、非常識なことも、自分が常識だと思って取り組むと、案外できてしまうものだと思います。ですから、来月も、エーゲ海を取り巻く国々に2週間程旅行で休暇を取る予定です。

さらに、これまた非常識だと思われてしまうかもしれませんが、私は現在、診療日は週3日だけです。それ以外の日は、自分のコンサルタント会社の仕事をしたり、会社や医院の事務を行ったり、旅行計画を立てたり、自分の趣味の時間を満喫したりと有意義に過ごしています。

こう言いますと、先生方のなかには、なにか特別な能力があるからだと思われる方もいらっしゃるでしょうし、あるいは極端に臨床ができるとか、巨額の広告宣伝費を投じているとか、いろいろ憶測してもらえるのですが、これも全くそのようなことはありません。

なぜなら、私は研修医を終えたのち、半年ほどいま流行りのニートをしておりました。で、半年たって突然開業したのです。

ちなみに開業当初のスタッフは、歯科臨床経験のあるスタッフはパートの衛生士1人だけというありさまでした。かなりこの時点で非常識だとおもうのですが、こんなあり得ない状態でも、1年後は中規模医院としてやっていけているのです。今回の開業セミナーでは、おそらく私が開業したころの状態より臨床経験の少ない先生方はほぼおられないのではないでしょうか。ですから、極論、臨床力は中短期的に見れば、実は医院の経営にはあまり関係がないと言えると思います。あの、誤解のないように言いますが、私は自分がめっちゃ藪医者だと公言しているのではないので、その辺はどうか誤解のないようにお願いします。適度に臨床経験が乏しくてもやっていけるとは自分を見ていて思いますが。

あと、補足ですが、開業資金もトータルで3000万円以下に抑えました。そして、現在、看板広告などの宣伝費は0円です。

さて、話が脱線してしまいましたので再び私のクリニックの話に戻ります。その旅行に行っていた9月の後は、順調にゆっくりと伸び続け、今年5月までは順調に推移して、5月はみなさんもご存じのことと思いますが、私の診療所のある茨木市は豚インフルショックのまさに震源地ですので、このありさまとなってしまいたした。職員の急な不足などにも見舞われ、6月もいまいちの成績でしたが、順調に回復傾向にあり、今現在も毎日平均して新患が2名程度は来院しておりますので、まだしばらくはこの調子がつづいていくと楽観的に予想しています。

たしかに、それほど突出した数字ではないかもしれませんが、研修医1年だけの臨床経験の私がこれだけの楽しい開業医生活を送っているのですから、本来、この話を聞いていただいている先生方ならば、これ以上の楽しい開業医生活ができるはずだと私は信じています。さて、今の私のクリニックの経営状態を実現させるために、私が一番重視したポイント、それは医院の立地です。先ほど、私のかなり非常識な開業医ライフにについて話しましたが、この非常識を支えているのは、一重にこの医院の立地によるところが大きいと断言できます。

結論を述べます。楽しい開業医生活を送るための秘訣は、何よりも医院の立地選びにあるということです。

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