開業後、維持費の比較表【Ⅲ:実際の開業事例に基づく成功する医院立地】3/8

ほかにもあります。例えば診療所の維持費です。

維持費には空調、照明などに係わる電気代、診療所の掃除に係る手間暇や人件費、内装の修繕に係わるお金など、結構バカにならない金額になります。

たしかに、狭いとデメリットもあります。一番のデメリットは医院の拡張に限界がありますから、配置できるユニットの数に制限が加わり、医院が繁盛し始めると、1日に診察できる患者さんの数に限界ができてしまうというデメリットです。

しかし、私の医院を例に挙げれば、17坪の面積に4台チェアーを置いているので、ドクター二人体制でフル稼働すれば1日40人は診察できる計算になりますから、1日あたり40人以上の患者さんを診るに至れば、それこそ土地を買って医院を建てることも夢ではなくなっているはずですし、医療法人を設立して分院を出すことで解決できるようになると考えられます。

ですから、まず、少ない資本で医院を開業する場合は、リスクを回避するためにも、よほどの好立地でない限りは広すぎるテナントは避けたほうが無難かと思われます。

ちなみに、テナントは狭すぎると拡張に限界がると述べましたが、例えばスタッフルームや院長室などは、診療所のちかくに患者数が増えてきた時点で、新たにテナントを借りて増設することもできますので、まずは診療面積の確保を優先するべきだと私は考えます。

さて、ここで具体的なイメージを持っていただくために、3つのテナントを比較してみましょう。

お手元の資料を見てください。ここには20坪のテナントA、30坪のテナントB、40坪のテナントC があるとします。

ちなみにコンビニ跡地などの物件では大体40坪ですのでテナントC がモデルになると考えてください。

テナント面積だけでみた場合の開業に係る予算と、開業後の維持費について比較してみたいと思います。

今回はすべて1坪1万円と仮定します。また、これらの診療所に来院する患者は一律20人で、保険診療が主体であると仮定します。

前々回のお話で申し上げましたが、1日当たりの患者数が20人ということは、日本全国の平均よりは恵まれている数字をあえてベースにしておきます。

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