集患するための様々な必要条件2【Ⅲ:実際の開業事例に基づく成功する医院立地】7/8
5つ目
人が立ち止まるところに作ることです。
立ち止まっている間、とくに何をするでもなく目に付くものを人は認知します。
先生の家の近くの大きな交差点を思い浮かべて下さい。その交差点にあるお店を先生は思い浮かべることができるはずです。
交差点以外でも立ち止まるところはいろいろあります。スーパーのレジでも人はレジに並びます。立ち止まるのです。
レジの前にある店舗なども目に停まります。私の医院はレジのドまん前にあります。おそらく認知されていると思います。
6つ目、日常生活に溶け込む場所に歯科医院を作ります。歯科医院とは多くの人々にとっては間違いなく非日常的なものです。
極力係わりたくない施設の一つですから、普段、あえて歯科医院に注目など全くしません。
歯科医院があれば見てしまうのは私たち歯医者だけです。現実は、歯科医院とはあくまでも非日常空間なのです。
ですから、人通りが多いところ、あるいはスーパーの店舗内、ある意味では医療モールなど、銀行、郵便局、市役所、学校の真横など、日常空間に溶け込むように作り、そこで生活する人々の脳裏に医院をすりこんで行きましょう。
そうすれば、人々がいざ歯が痛くなり、非日常空間に勇気を持って飛び込もうと決意したときに、日常の風景のなかにある歯科医院なら少しは安心感を持って飛び込むことができると思います。
7つ目、郊外に歯科医院を作る場合、必ず駐車場を確保しましょう。
これは必須です。私の医院に来る患者の半数近くは車で来院しています。もし、駐車場が確保できていなければ、患者数は単純に半分になります。
認知していても通院する足がないのでは、これまた結局圏外なのです。来院にはつながらないのです。便座は設置されているのに、トイレットペーパーを取り付けるペーパーホルダーがない残念なトイレなのです。まことに遺憾です。
いよいよ8つ目、すぐ近くに経営に力を入れている、マーケティング感覚のある競合歯科医院がないこと。
ですから、今私がお話しているような条件をすべて満たして、なおかつ土日も代診の先生を雇用してバリバリにやっている先生が近くにおられる場合、単純に、同じ条件を満たしても患者は半減してしまいますからうまみがありません。
逆に、今列挙している条件をあまり満たしていないような、競争力の低い歯科医院、あるいは認知されにくい歯科医院はもはや街中歯医者だらけですから、1件や2件あった程度ではそこまで気にする必要はないように思います。
しかし、パイを分け合う人数は少ないに越したことはありません。
そして、最後に補足として。
防犯だけは十分な配慮をしましょう。これだけは本当に配慮しましょう。世間では今でも歯医者はお金持ちだということを信じて疑わない人々がまだまだ数多くいます。
これを逆手にとって悪い遊びをしている先生方がおられたらおいしい一面もあるのだなあと思いますが、その逆に、歯科医院に押し入って、強盗を働こうと考える不届きものもいるのです。
2極化、貧富の差が激しくなってきたアジアの大国日本では、今後、これらの狼藉者にも備える必要があります。不運にして命を落としては、新規開業セミナーどころではありません。
防犯についてはあまり考えずに開業される先生がおられるので、気をつけてください。
私が最近、開業をお手伝いさせていただいたY先生も、なんと開業前の工事期間中に、医院の天窓から泥棒に入られ、内装工事に必要な機材を盗まれるという痛ましい事件がありました。
内装に使う工具を盗んでどうるすのるか犯人の動機はいまだ解明されていないとのことですが、犯人の速やかな検挙を祈るばかりです。
これにも良い方法があります。
私の医院では、スーパーの店舗内に位置し、スーパーのレジの正面に位置しているため、おそらく万一強盗が入ったとしても、まずまっさきにスーパーのレジ金が狙われると思います。
いずれにせよ、人目につく場所ならば人目につきにくい場所よりは、人目があるので、強盗も多少の配慮はするはずです。
1階店舗は、2階以上の店舗に比べて明らかに防犯面では警戒が必要ですから、一階店舗での開業を推奨する私の考えからすれば、防犯については多少配慮が必要だと思うのです。