歯科衛生士を一生の仕事にしたい…プロ意識を保ってパートで働くには

衛生士のパートで働くメリット、デメリットとは?

私が長年勤務していた歯科医院は、歯科助手のパートが数名働いていました。そのスタッフは元々正社員で、みな結婚を機にパートへと勤務形態を変えたメンバーでした。私も一身上の都合で退職し、数年後に院長の計らいで再就職を果たし、2度ほど退職を繰り返しました。そして結婚を機に、パートで復職する事になりました。衛生士は担当制で患者の歯周治療に当たっていましたから、過去にパート勤務は前例がありませんでした。

学生時代のバイト以来、社会人になって初めての時給で頂く給料は何とも言えない感覚でした。以前から勤務していた歯科医院という理由もあって、平均より高い時給で勤務していましたが、一般的なパートの衛生士は1,100円~1,300円が妥当と言われている様です。時給は勤務先や勤務時間帯、都道府県別でも差があって当然ですが、企業の診療所にパート勤務していた友人は2,000円近い破格の時給を貰っていて驚いたのを覚えています。

パート勤務のメリットは、やはり勤務時間にあるでしょう。家庭に入り子育てをしている衛生士にとっては、条件に合った勤務先を選ぶ事で復職も可能になります。働く者にとっては良い事ばかりのようですがデメリットを考えると、仕事の成果に関係なく時給が支払われると言う点が気になります。どう働いても給料が変わらないなら一生懸命になるのが馬鹿らしいと、衛生士としてのプロ意識が低下してしまう事も懸念されます。

パートだって正社員と変わらない!責任ある立場で仕事ができる人

結婚後の復職でパート勤務になった私は週3日の勤務形態でしたから、バリバリ働けるとは思っていなかったものの、今まで通り重症例の歯周病患者を担当させて貰えると思っていました。ところが実際は、治療の合間のTBIやSCが中心でした。何故か?それは常勤ではないと言う理由からでした。短い勤務時間では、責任を持って診察に当たれないのでは…と言われた時には初めて院長に反発し、憤りを感じていました。

予防に力を入れた歯科医院で、尚且つパートの前例がない事から院長も模索していたのかもしれませんが、パートには責任が少ない仕事を…と言う風潮には納得いきませんでした。そんなある日、以前担当していた患者がメンテナンスで来院し、私の復職を喜んでくれました。そして、戻ってきたならまた私に診て欲しいと、嬉しい言葉をかけてくれたのでした。そして私は、パートでありながら重要な仕事を任されるようになりました。

院長は私の衛生士としてのスキルを認めていると言いながらも、パートになった私と正社員の仕事のクオリティを無意識に区別していた様でした。このような状況では、仕事に自信と誇りを持って臨める機会は得られないと思います。更にやり甲斐を見失い、お金さえ貰えれば良いと言う考えになりかねません。その結果、診療の質にも影響を及ぼすことになるでしょう。

ブランクだって怖くない!パートリーダーを目指して働こう

とある歯科医院でインストラクターをしていた時、子育てが一段落した衛生士が長いブランクを経て職場復帰し、その方の指導を任されたことがありました。元々衛生士としての実務経験は少なかったものの、主婦や子育てを経験した先輩として人生に厚みを感じましたし、スキルアップは勿論のこと、家計のためにも一生懸命働くという強い意志が伝わってきました。社会経験を積んだからこそ、若い衛生士よりも患者対応に優れていました。

技術面はやや劣る部分もありましたが、患者やスタッフからの信頼度が高かった為、出来ないところは周りがカバーするという理想的なチームワークになっていきました。あれから数年、彼女も今では全体をまとめるリーダーとして、パートでありながら新卒衛生士の教育係として活躍しているそうです。その歯科医院ではなくてはならない存在となり、重要なポストで働いていると言う話を聞くと指導した甲斐があったと嬉しくなります。

衛生士の平均時給は、その仕事内容を考慮しても一般的にやや低いと感じるのは私だけでしょうか?雇用主は、経験に応じた時給を支払い、従業員もそれに見合った仕事をするべきです。また、適切に昇給する事で責任感が増し、仕事に対するモチベーションも上がっていくでしょう。パートだって、働くからには評価を得たいものです。正社員と同様、給与によって仕事の成果が実感できるようなシステムである事を願います。

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