開業に関しての心構え
今回はどのようにしてこれから開業を目指していこうかという、勤務医としてのこれからの生活に関して、多角的に検討できたらなと思います。
勤務医って実際どうなのかというところですねちょっと掘り下げていきますと、開業医の先生というのは割と忙しく、時間がない週休1日の先生が多いですね。なかなか仕事とプライベートが分けられないっていうのでちょっと悩んでる開業医が実際は多いです。
それでは開業して、例えば月500万円を稼ごうと思うと、税金が引かれる前の開業医の先生の手元に残るお金は、だいたい診療所の売り上げの20%から30%ぐらいが残ると言われています。多い先生ならもっと残ったり、自費の比率が多かったらもっと残る比率高いと思うんですけど。
という事は、500万円手元に残そうとすると、1ヶ月で医療収入がざっと1500万から2000万円の収入を上げていかないといけないということになります。2000万くらい収入を上げようとすると、レセプトに換算すると約800枚。そもそもそんなレセプトいく医院は少ないので、それぐらい大きな規模の医院のオーナーにならないと、自分がさらに馬車馬のように毎日毎日削って削って詰めて型とって、としないと達成できない数字だという事をイメージしていただきたいと思います。
ちなみに歯科医師の平均年収は33.8歳で621万円だそうですが、勤務医の先生方の中で年収800万ぐらいある先生も大勢いらっしゃると思うんですけど。その税金、所得税、住民税、社会保険等を引かれると大体598万、600万円弱ぐらいのお金が手元に残っているということになります。 年収1000万の場合は、手元には約739万円が残っている。年収1200万の先生だと870万円が年間手元に残っているということになります。そこから更に稼ごうと思うと、なかなか勤務医としてそういったポストを探すというのはちょっと難易度が上がってくるので、開業という選択肢になってくると思うんですが。
年間で3000万を稼いでらっしゃる医療法人の理事長の先生は、本当に一握りだと思うんですけど。そういう先生でも、実は手元に残ってるのはたったの1836万なんです。そうすると、先程の勤務医の先生で年収1200万で手取り870万の先生と、本当にリスク背負って、たくさん借金もしてスタッフの悩みから患者さんのクレームから全て抱えて、3000万を稼いでも、実際は1836万と、この両者を比較すると、差額は1000万しか実際のところ変わらないんです。そんなにしんどい思いして1000万円を余分に毎年稼いであんまり何も欲しいものがないということなら敢えてリスクを背負って自分の休みも無くなって、果たしてこれからの時代、開業医を目指していくのが、歯科医師としてのゴールなのかと疑問を感じます。
まず開業を目指す勤務医の先生方にお伝えしたいのは、開業医というのは良いことばかりじゃないという事なので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。毎年、ストレスや大変な思いをして、それでも1000万円、年収を上げたいというモチベーションが無いと開業ってやっぱり結構キツいものがあると思います。