この先10年の勤務医・開業医のキャリア構築と、人事労務管理の基礎知識(5/6)
今ざっと言いましたけども。もう一度整理すると労働契約が一番自由が無いです。その代りリスクも少ない。開業するのは当然自由が一番多いけども、その分リスクも高くないます。その中間的なのが委任契約というふうになってくるかと思うんですね。皆さんずっと労働契約で行こうか、自分は雇われでええわと言う方もいらっしゃるかもしれませんし。開業はしたんだけどノウハウもないし、いきなりそのリスクを負うのも嫌だからできたら、例えば分院レベルを任せてもらってノウハウを積みたいだとかそういう方もいらっしゃるかもしれませんし。将来の開業を見越さずにですね。
ただ、労働者として使われる一方なのはせっかく資格を取ったのだから嫌だから、ある程度の裁量がある。でも、経営全体を考えたりする才覚はないし、あるいはあるかもしれないけど考えたくないからと言って委任を受けて分院を仕切るだとかそういういろいろ働き方があると思うんですけども、自分がどこを目指しているか考えないと蓄積していくスキルというのは違ってくると思うんです。
例えば将来自分が開業医になりたい、開業をしたいと言う思ってる方が、これからちょっとだけ触れますけども。労働法の話を全く知らないだとか、銀行との交渉の仕方を全く知らないだとか、こういったまま単に歯科医としての現場の技術スキルのレベルを上げていってもですね。おそらく開業医、事業主としてはうまくいくかどうか、結構半信半疑なんじゃないかなと思うんですね。そういう方だったら、ステップアップとして例えば委任を受けて、ある程度の裁量をもって働くところから始めてノウハウを積むだとか、いろいろ考え方があると思うんです。
あとですね。別にそこまで考えなくても、仮にずっと雇われていこうと考えていらっしゃる方もいらっしゃったとして、冒頭に話しますとおり。ちょっとどういうゴールに行く行き着くかわからん。競争の社会に入りつつあるんです。それは歯科業界だけでなく、日本全体がそうなんですけど。そうするとですね。今、雇っていただいている法人なり、病院が本当に10年後20年後生き残れるのかっていうのを考えないといけないと思うんですね。当然、雇っていただくためにはですね、雇い主の方が儲かってないと給料も思う通りもらえないわけでして、余り競争がない時代、年齢とか、病院の規模で横並びの時代だったら日々頑張ってですね、現場の仕事を処理しておけば問題なく給料をもらえるのかもしれませんけども、所々赤字の医院があったりですとか、競争が激しくなって来て今までは赤字でないところも赤字になっちゃったり、あるいは、M&Aで吸収されたりとかして経営主体ががらりと変わってしまうとかありえる話だと思うんですよ。