この先10年の勤務医・開業医のキャリア構築と、人事労務管理の基礎知識(4/6)
2番は飛ばして。3番は真反対ですね、すべて自分でやるのが開業医です。開業の仕方は個人事業としてやるのか法人としてやるのかの違いはあるにせよ自分で運営していく意味では、開業医という言葉でひとくくりにしていいかもしれません。これは例えばどの位の時間働くのかですとか、どういう資金調達をするのかとか、どういう患者さんの層を狙っていくのか。当然、自分の思い通りにできますし、人から指揮命令を受けることもありません当然ですけども、事業がうまくいったときのメリットも自分が享受できる代わりに、失敗したときのリスクですね。例えば、借入れた金が返せないだとか、従業員ともめ事を起こしてしまって労働問題に発展して訴ええられるとか、こういった矢面に全て立たないといけないのが開業医ですね。
今いらっしゃる皆さんの中には、自分のことを歯科医師、専門職の歯科医師であると定義している方もいらっしゃれば自分は事業主であると、あるいは事業主に将来なりたいんだと思っていらっしゃる方もいるかもしれません。そういう事業主という観点から歯科医としての働き方をとらえている方からすればゴールと言いますか、開業するのがまずスタートになるのかもしれませんね。
1番と3番の中間的な位置にあるのがこの委任に基づいて働く働き方だと思うんです。労働者と違ってですね。労働法の保護は強いものがありません。これは委任を包括的に統括するような規制があるわけでもありませんので、あくまでもその委任契約を結ぶ院ですとか法人とどういう契約になるのかというので、中身が代わってきます。ただ、労働契約と違って個別具体的な指揮命令権は受けないので例えば、よくあるのがですね個人事業だけども分院を出すその分院の運営を任せるなんてときに委任契約を結んで、院全体、分院全体の運営を任せられる。この場合院だけを見たらですね、比較的独立した運営ができるはずなんですね。例えばどういうスタイルで診療するのかとか、契約に基づいて大きな方向性はあるにしてもどういった人を採用し育てていくのかという、ある程度の自由な裁量があるかと思います。
ただ、あくまでも事業主がいてですね。その委託に基づいて仕事をしていきますので、契約に背いたような内容のことはできません。あとですね。医療法人に入られて、皆さんもしかしたら理事とかになっていらっしゃる方もいるかもしれません。これは、特に委任契約を結ばなくても、法人の理事というのは株式会社役員と一緒で、委任契約に基づいて法人の事務を処理するというふうに理解されてますので、これも委任契約に基づく働き方になるんですね。
で、医療法人の理事になると、まさにその会社の役員と一緒である程度ですね。法人の経営にもタッチすることになるでしょうし、自分が任されて理事兼分院長となればですね。法的にもその分院の責任者ということで登録されますので、半ば独立してその分院の運営をしていかないといけない。見方を変えるとしていくことが出来る立場になってくるかと思うんです。